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被災地との交流に役立てて-姫路の音楽教室が神戸の中学校に募金託す

神戸市立玉津中学校を訪問中の高橋茜さん(写真手前右)と田中利奈さん(同手前左)。亀本純和校長(同奥右)と吹奏楽部顧問の小椋伸人教諭(同奥左)に募金を託した

神戸市立玉津中学校を訪問中の高橋茜さん(写真手前右)と田中利奈さん(同手前左)。亀本純和校長(同奥右)と吹奏楽部顧問の小椋伸人教諭(同奥左)に募金を託した

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 姫路の音楽教室が10月3日、東日本大震災の被災地・宮城県の仙台市立八軒中学校(仙台市若林区)との交流を続ける神戸市立玉津中学校(神戸市西区)に、9月の定期発表会で来場客などから集めた募金を贈った。

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 募金を贈ったのは、姫路市在住の高橋茜さんが主宰する「あかね音楽教室」(姫路市南駅前町)。募金活動は、震災直後から八軒中学校の吹奏楽・合唱部が演奏活動を続け全国に広まった合唱曲「あすという日が」を、同音楽教室発表会のプログラムに加えたことに始まる。

 「生徒の提案から同曲をプログラムに組み込む過程で八軒中の活動を知り、募金集めを思いついた」と高橋さん。当初は八軒中へ寄付しようと同中へ寄付を申し出たところ、震災以来同中との交流が続く玉津中学校吹奏楽部を紹介されたと話し、「八軒中との交流などを目的とする宮城県訪問を10月に控える玉津中が活動資金を求めていることを知った。両校の交流を応援する趣旨で、募金は玉津中へ贈ることに決めた」と説明する。

 当日は、高橋さんと生徒の田中利奈さんが玉津中を訪問。応対した亀本純和校長に集まった募金を託すと共に、吹奏楽部顧問教諭の小椋伸人さんとも面会。小椋さんが高橋さんの恩師・小椋久光さんの子息ということもあり終始和やかなムードで会話が弾む中、小椋さんと亀本さん、高橋さんは、3人が共に経験した阪神・淡路大震災と今回の大震災とを重ね合わせながら、支援活動などで実際に見聞した被災地の模様を話し合い、被災地の復興には長い時間を要することが予想されることから、今後も継続的な支援が必要だという見解を示し一致した。

 「継続的な支援は、阪神・淡路大震災を経験した私たちが担う役割の一つ。高橋さんをはじめ、思いを同じくする人の協力が欠かせない。今後も八軒中との交流を続けたい」と話す小椋さんが決意を新たにする傍ら、「音楽という得意分野を支援に生かす小椋さんが、温かな気持ちの連鎖を広げながら活動を継続してくれることを願う」と亀本さんは話し、小椋さんを激励した。

 玉津中吹奏楽部は予定通り10月12日から宮城県を訪問し、13日には石巻市で八軒中吹奏楽・合唱部との合同演奏会を、気仙沼市で単独演奏会を、それぞれ開催。同県沿岸部の被災地で地元との交流を果たし、14日に帰校した。訪問の模様は、16日夕方に放映されるNHKの県域ニュース番組「ニュースKOBE発」内の特集「震災いのちのきずな」でも紹介予定。

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