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明治を残す旧街道、自転車で走破-「銀の馬車道」ツアー

難関・生野峠(朝来市~神崎郡神河町)に挑む参加者ら。3月16日に実施された「銀の馬車道」サイクリングツアーで

難関・生野峠(朝来市~神崎郡神河町)に挑む参加者ら。3月16日に実施された「銀の馬車道」サイクリングツアーで

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 明治政府が建設した近代初期の産業道路「銀の馬車道」(旧生野鉱山寮馬車道)をコースに3月16日、サイクリングツアーが実施された。主催はNPO法人「姫路コンベンションサポート」(姫路市二階町)。

「股旅姿」での参加者も

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 銀鉱石の産出で知られ、1973(昭和48)年に閉山した生野鉱山(朝来市)と、積み出し港の飾磨港(姫路市、現在の姫路港飾磨港区)とを馬車の便で結んだ同道路。1876(明治9)年にかけて全通したものの、1895(明治28)年には播但鉄道(現在の播但線)が同区間で開通。馬車は汽車に取って代わられ、その後は国道312号などの旧街道として忘れられた存在となっていた。

 近年は、同道路を近代の産業遺構として見直す機運が高まりを見せ、沿道5市町が観光客の誘致で協働。兵庫県の肝いりで沿道を紹介するマップやモデルルートも完成し、一定の成果を上げつつある。

 同ツアーは2004年に初めて実施。今年は約20台の自転車が参加し、馬車道の沿道に残る歴史資産や自然環境に親しみながら、生野マインホール(朝来市)から姫路城を経て飾磨港近くの飾磨市民センター(飾磨区玉地1)までの約50キロを楽しんだ。

 「天候に恵まれたことが何より。完走を目指したい」と「木枯らし紋次郎」ばりの股旅風衣装で参加した尾崎佳己さん。「参加する皆さんに楽しんでもらおうと、この衣装を選んだものの、かさ(三度笠)がかさばって…」。苦笑いを見せながらも、さっそうと自転車にまたがり、旧街道沿いに残る古い町並みを走り去った。

 「春らしい天候の下、心地いい汗を流せた」と同NPO理事長で自らもツアーに参加した玉田恵美さん。「サイクリングというスポーツを通じて地域の魅力を再発見してもらえたのであれば幸い。『ゆず茶』や『もちむぎ麺』、チョコレートの振る舞いなどでもてなしてくれた沿道の方々にも感謝したい」とイベントを締めくくった。

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