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姫路の古刹に「見えすぎる手洗い」-国道走るドライバーから注目も

姫路・船場の本徳寺(姫路市地内町)が屋外に設けている男子手洗い。「見えすぎる手洗い」としてひそかな注目を浴びつつある。3月4日

姫路・船場の本徳寺(姫路市地内町)が屋外に設けている男子手洗い。「見えすぎる手洗い」としてひそかな注目を浴びつつある。3月4日

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 姫路・船場の本徳寺(姫路市地内町)が屋外に設けている男子手洗いが現在、「見えすぎる手洗い」としてひそかな注目を浴びつつある。

本徳寺は真宗大谷派の姫路別院

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 同寺は浄土真宗の一派で真宗大谷派の姫路別院。本山は東本願寺(京都市下京区)で、同派の地方拠点の一つ「山陽教務所」が置かれる。創建は1515(永正12)年と古く、1602(慶長7)年の浄土真宗東西分立では同派としての拠点を失ったものの、1618(元和4)年には、当時の姫路城主・本田忠政から寄進を受けた現在地で開基。1718(享保3)年に建立された本堂が現在も残る。

 「見えすぎる手洗い」は、同寺が所有する1器。便器は男性用の壁掛け型で、一般には「朝顔」の通称で知られる陶器製。幅33センチ。高さ45センチ。地面から垂れ受けまでの高さは約60センチ。カラーは白で、製造者の表記はない。境内の裏手にあたる西側北隅の男女共用手洗い所の外壁に、天井も囲いもない状態で取り付けられていて、商店や民家が密集する市街地の真ん中で異彩を放つ。

 「この手洗いは、境内で作業する植木職人などが素早く用を足せるように、当初から男性用便器のみを屋外に設置していた」と同寺職員の本谷廣さん。2011年12月に播州信用金庫が手洗い北側で同寺関係者が所有していた建物を取り払い、船場支店を移転新築したことなどから、「以前にも増して手洗いを遮るものがなくなった」と説明する。同支店では、手洗いそばの敷地を平面駐車場に利用していることもあり、図らずも付近一帯へ開放感あふれる「珍景」があらわになったという。

 手洗いは国道2号沿いで、歩道からの距離は約60メートル。約200メートル東の白鷺橋(はくろばし)交差点では1日あたり約2万9000台の自動車が通過(2012年調査)するなど、市内でも交通量の多いところだけに、トイレの存在に気付いたドライバーや通行人は気になる様子。チラチラと横目で眺めながら通り過ぎる人や、中にはスマホや携帯電話で写真を撮る人の姿も。

 「現在、当寺は大規模修繕中。『白書院』に後付けで設けていたこの手洗い所は、書院を残し撤去が決まっている」と本谷さん。「撤去は、3月中旬から4月上旬までには行う予定」と話し、珍景が見られるのも「あとわずか」(本谷さん)という。

 「以前から気になる存在だった」と同支店の駐車場で中井良雄さん。「よほどの『自信』がないことには、急を要するケースでも利用をためらうのでは」と話す。「寺に歴史あり。手洗いも然(しか)り。ブログにアップして記録しておきたい」として、携帯電話のカメラを向けた。

 同手洗いは同寺が所有する施設。無断での一般利用はできないので注意が必要。

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