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冬晴れの空に酒林上がる-姫路で新酒初搾り

姫路のヤヱガキ酒造(姫路市林田町六九谷)で「酒林」を飾り付ける杜氏の田中博和さん(写真左奥)と、田中さんの指導で酒造りに取り組む同グループ社員の1人・ヤヱガキ発酵技研の八木基文さん(同左手前)

姫路のヤヱガキ酒造(姫路市林田町六九谷)で「酒林」を飾り付ける杜氏の田中博和さん(写真左奥)と、田中さんの指導で酒造りに取り組む同グループ社員の1人・ヤヱガキ発酵技研の八木基文さん(同左手前)

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 姫路のヤヱガキ酒造(姫路市林田町六九谷、TEL 079-268-8080)で11月14日、杜氏(とうじ)が「酒林」(杉玉)の飾り付けを行い、間もなく始まる新酒の蔵出しを告げた。

酒林の直径は約80センチと大型

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 酒林は杉の葉を集めて作る大玉。杉玉ともいう。酒造業者では、蔵などの軒先に酒林をつるして新酒の完成を近隣などへ知らせると共に、酒の品質向上や酒蔵で働く職人の安全を願う風習がある。

 同酒造では、杜氏の一派を成す「但馬杜氏」(但馬=兵庫県北部)の第一人者で、11月に厚生労働省から「現代の名工」に選ばれたばかりの杜氏・田中博和さんの下、同グループ社員らの手で10月11日からこの冬の酒造りを開始。10月22日には仕込みに掛かり、今日の初搾りを迎えると同時に酒林の飾り付けを行った。

 同酒造の酒林は直径約80センチで、重さ約70キロ。酒造りの合間に約1週間かけて作った。材料の葉は、田中さんの故郷・兵庫県新温泉町で集めたもの。田中さん自らが杉の木に登り、落とした軽トラック1台分の葉が使われている。

 「夏の天候に恵まれたことから米の作況も良く、ヤヱガキのファンに自信をもって薦められる新酒ができた。名工として選ばれたこともあって、うれしさもひとしお」と飾り付けを終えた田中さん。同酒造が10年来取り組んでいる「グループ社員による酒造り」にも触れ、「この酒蔵で42年にわたり酒造りに携わってきた経験を生かし、今後も後継者の育成と技術の伝承に力を注ぐ」と決意を新たにしていた。

 新酒の蔵出しは28日。「無濾過生原酒しぼりたて」と「新酒限定にごり酒」を出荷する。早いところでは当日から店頭に並ぶ予定。

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