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姫路に国内最大級の駅前広場誕生へ-市民レベルでの活用に期待

姫路駅前の現状と未来を市民レベルで考察するフォーラム「姫路まちなか 未来創造フォーラム」の様子。同駅前のトランジットモール化を受け、市民の間では新たな公共空間を自らの手で活用しようとする動きも高まりを見せる。3月24日

姫路駅前の現状と未来を市民レベルで考察するフォーラム「姫路まちなか 未来創造フォーラム」の様子。同駅前のトランジットモール化を受け、市民の間では新たな公共空間を自らの手で活用しようとする動きも高まりを見せる。3月24日

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 姫路駅前の再開発で整備が進む「北駅前広場」の一部が3月28日に開放されること受け、同広場をはじめとする新たな公共空間の活用を市民レベルで模索する動きが高まりを見せている。

誕生する国内最大級の駅前広場

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 2014年春の完成を目指す北駅前広場。JR姫路駅の高架化や旧駅ビルの撤去で確保した用地と旧姫路駅前広場の跡地を合わせた約1万6000平方メートルで姫路市が整備を進める。

 北駅前広場と併せて整備する西側の隣接街区と大手前通り(十二所前線以南)を合わせた面積は、甲子園球場のグラウンド2つがすっぽりと入る約3万平方メートル。うち7割は歩道や広場とし、もっぱら歩行者が使う。自動車が使う残り3割の大半はバスとタクシー専用。いずれもマイカーの乗り入れを禁止し、駅への送迎などに利用してもらう「一般車乗降場」を東西に分離して設置することから、同駅前は国内最大級の面積を持つトランジットモール(歩行者と公共交通優先空間)型の駅前広場に生まれ変わる。

 同駅前のトランジットモール化を受け、市民の間では新たな公共空間を自らの手で活用しようとする動きも高まりを見せる。3月24日には、ハーベスト医療福祉専門学校(姫路市南駅前町)の講堂で同駅前の現状と未来を市民レベルで考察するフォーラム「姫路まちなか 未来創造フォーラム」が一般社団「ひとネットワークひめじ」(姫路市岩端町)などの主催で開かれ約100人が集まった。

 同フォーラムは2部で構成。第1部では「『駅前の今』を知る」と題し、間もなくオープンする地下街「グランフェスタ」や新駅ビル「ピオレ」、2017年にかけて駅東地区への進出を予定する都市型ホテルやシネコン併設の商業施設といった再開発の「目玉」についての解説があった。

 続く講演では、都市デザインの専門家・高松誠治さんが登壇。トランジットモール化前後での歩行者動線に現れる変化などを分析・解説すると共に、「市民が利用できる広場を『都市の顔』・中心駅前に設ける姫路の例は、世界的に見ても珍しい。市民の手でにぎわいを創出し、ホスピタリティを表現していくチャンスにしてほしい」と訴えた。

 第2部では、「『駅前の未来』を創る」と題し、市民団体「姫路駅前広場活用協議会」の小川陽平さんが、北駅前広場内で建設が進む半地下式庭園「サンクンガーデン」オープニングイベント(4月30日)の概要を、市民が手掛ける北駅前広場活用事例の第一号として発表。景観設計の専門家・八木弘毅さんは、世界各地での駅前空間活用事例を現地の写真を交えて解説した。

 続くパネルディスカッションでは、「駅前広場の活用が生み出す まちなかの未来」をテーマに兵庫県立大学環境人間学部の内平隆之さんをコーディネーターに、高松さんと小川さん、八木さんら5人をパネリストに、それぞれ迎えてのディスカッションを展開。聴衆を交えての質疑応答では、姫路市在住の尾上劉次さんらが、「せっかくの公共空間も、実際に市民が利用しようとすると法令上の規制が障害となるのでは。相談や申請の窓口もわかりにくい現状がある」と指摘。姫路市役所姫路駅周辺整備本部の兵藤康副本部長は、「窓口はわかりやすく改善する」と応じると共に、「サンクンガーデンを含む北駅前広場を利用しての市民活動にがんじがらめの規制をかけるつもりはない」と明言。「残る大手前通りの歩道についても、他都市の例を参考にしながら規制を緩和できないか検討していく」とした。

 北駅前広場周辺では、リニューアル中の地下街「グランフェスタ」が3月28日に開業。同時に北駅前広場の歩道が一部で通行できるようになる。4月30日には新駅ビル「ピオレ」も開業し、同日に開放となる「サンクンガーデン」と地下1階で接続。サンクンガーデンを介して地下街とも一体化し、姫路駅前での歩行者動線は大きく変わることになる。

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