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姫路で市蝶「ジャコウアゲハ」サミット-チョウ舞う街の実現目指し

姫路科学館(姫路市青山)で2月23日、姫路の市蝶(しちょう)「ジャコウアゲハ」を通じてのまちづくりをテーマに「ジャコウアゲハサミット」が開催された。写真はジャコウアゲハ[資料写真]

姫路科学館(姫路市青山)で2月23日、姫路の市蝶(しちょう)「ジャコウアゲハ」を通じてのまちづくりをテーマに「ジャコウアゲハサミット」が開催された。写真はジャコウアゲハ[資料写真]

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 姫路科学館(姫路市青山)で2月23日、姫路の市蝶(しちょう)「ジャコウアゲハ」を通じてのまちづくりをテーマに「ジャコウアゲハサミット」が開催された。

サミット宣言文を鮮やかに墨書

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 姫路商工会議所青年部が開いた同サミット。市蝶でありながらも認知度が低いジャコウアゲハの「復権」による新たな地域資源の創出を目指し、「スローライフひめじ委員会」が企画した。

 ジャコウアゲハは、江戸初期に現在の姫路城を築城した池田氏の家紋「揚羽蝶(あげはちょう)之紋」との関わりや、「お菊虫」の別名を持つ幼虫が姫路城にまつわる怪談「播州(番町とも)皿屋敷」の主人公・お菊の化身とされたことなどから、戦前までは市民にもなじまれたチョウ。戦後は、幼虫の餌となる植物で、里山や河川敷で繁殖する「ウマノスズクサ」の激減などから、高度成長期にかけて生息地が縮小した。

 1965(昭和40)年には、姫路市がジャコウアゲハを「市蝶」に指定。姫路ゆかりのチョウとして定着を図ったものの、指定当初から中心市街地周辺では姿を見ることも少なく、一定の認知度を得るまでには至っていない。

 当日は、市民211人をはじめ姫路市の担当者も参加。基調講演や市内の小学生らによる飼育成果の発表、パネルディスカッションなどを実施した。提言では、中心市街地の南東を流れる外堀川(通称、三左衛門堀)の河川敷にウマノスズクサを植え付けることなどを求めたところ、市側が協力を約束。「まちなか」でジャコウアゲハが舞う姿を楽しめる環境の復活に向け取り組みを継続する連絡協議会も即日発足し、同委員会の尾上劉次委員長が、「私たちは市蝶ジャコウアゲハを育て、自然と人、まちとのつながりを紡ぎます」と宣言。閉幕した。

 「取り組みは道半ば。スローモードで前進中」と尾上さん。「実際にチョウが増えれば、認知度も上がり関心を持つ人も増える。たゆまぬ努力を続けたい」と展望を語る。

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