姫路出身の格闘家でムエタイ選手のTOMOYUKIさんが昨年12月、休養で帰郷中の姫路市内で2012年を振り返ると共に、姫路経済新聞の読者へ2013年年頭のメッセージを寄せた。
20歳代半ばにグローブ空手で格闘技の世界へ飛び込んだTOMOYUKIさん。「常に上を目指したい、強くなりたい」との思いからキックボクシングへとステージを移し、現在は、立ち技では世界最強とされる格闘技「ムエタイ」で世界チャンピオンを目指す。
ムエタイ界で頭角を現したTOMOYUKIさんは、2010年に「センチャイ・ムエタイジム」(東京都中野区)の門をたたき、同ジム会長のセンチャイ・トングライセンさんに師事。「住み込みでもいいと電話で直談判。会長の指導がなければ今の自分はない」と振り返る。
同年10月には、拠点を東京へ移すとともにムエタイの本場・タイをはじめとする世界各地を転戦。2011年10月には、世界戦の「トヨタカップ ミドル級トーナメント」に日本代表として初出場を果たした。昨年11月には、ナコンラーチャーラシーマー(タイ)で開催された「タイ・ファイト」の67kg、70kg級準決勝で2011年王者のブアカーオ・ポー・プラムック(タイ)と対戦し、同選手に対し日本人として初の判定に持ち込んだものの敗退。「負けは負け。スタートで出遅れた」とTOMOYUKIさんは多くを語らないが、関係者からは「ブアカーオは押されていた。アウェーでさえなければ」と善戦を評価する声も聞かれる。
TOMOYUKIさんは、12月に休養のため姫路へ帰郷。同市内の道場を訪れスパーリングなどで後進選手と交流する傍らメッセージを寄せた。
「学校などを訪問してみると、流されるままに生きる子どもの姿に触れることが多い。スポーツも勉強も、自分から進んでやるという気持ちを感じにくい。『人生こんなもの』と思ったら最後。努力は必ず報われるということを、私が『勝って見せてやる』ことで伝えていきたい」(TOMOYUKIさん)
「姫路の町に元気がないとは思わないが、『田舎だから』という劣等感であきらめていることがたくさんあるように感じる。関西は関東に、日本は世界に対して同様の劣等感を抱きがち。しかし戦わずしてあきらめることはない。私は『播州姫路の狂犬』をキャッチフレーズに、今後も世界を狙い続ける」とも。
2013年もTOMOYUKIさんは、世界タイトルへの挑戦を続ける。国内でのWBCやWPMFをはじめ、世界各地のリングにも立つ予定。