手柄山中央公園(姫路市西延末)内に4月29日、複合施設「手柄山交流ステーション」がオープンし、開通からわずか8年で姿を消したモノレール「姫路モノレール」が一般公開された。
姫路のモノレールは、姫路市が自動車社会が引き起こす交通渋滞などの都市問題の解決と市街地と郊外を結ぶ新しい交通機関として1966(昭和41)年に開通。姫路大博覧会の開催に合わせて運行を始めたが、姫路駅から手柄山駅までの運賃(大人=100円)が、当時のタクシー初乗り料金と同じで割高だったことなどが影響し、同博覧会終了後は利用者が激減。赤字経営が続き1974(昭和49)年に休止となった。
同ステーションは、1964(昭和39)年に建てられた姫路モノレール手柄山駅舎を複合施設としてリノベーションしたもの。プラットフォームがあった2階部分はモノレール展示室として実物の車両を展示。車内のシートやカーテンを新調し試乗を可能にしたほか「当時の雰囲気を味わってもらおう」とプラットフォームにあった時計や時刻表、スピーカー、ゴミ箱、水飲み場、看板なども復刻した。
多目的ホールや研修施設を設けた3階では現在、モノレールが運行していた当時の資料などを集めた企画展「姫路大博覧会・モノレール展」を開催している。
「モノレールの車窓から撮影した動画や大博覧会の写真、昭和40年代の姫路の風景写真なども展示する」と姫路市建設局みどり整備室の松原延行さん。「昭和のなつかしい風景を楽しんでもらえれば」とも。
開館時間は午前9時~午後5時。入館無料。火曜定休。「姫路大博覧会・モノレール展」は5月15日まで。