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姫路の酒造会社がテイスティングできる資料館 土壌の違いを味で体感

同社専務の本田龍祐さん(左)

同社専務の本田龍祐さん(左)

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 日本酒「龍力」で知られる酒造会社・本田商店(姫路市網干区高田、TEL 079-273-0151)が11月19日、テイスティングできる資料館・龍力テロワール館を同社内にオープンした。テロワールとは、ワインの用語でブドウ畑を取り巻く自然環境要因の意。

栽培土壌の違いをはっきりと目に見える形で表した土壌標本

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 同館の面積は約8坪。カウンターを備え、立ち飲みスタイルでテイスティングできる。

 同社専務の本田龍祐さんによると、先代社長の本田武義さんは、兵庫県特A地区と呼ばれる酒米「山田錦」の栽培地域によって米の特性が違うことに疑問を抱き、晩年「山田錦」栽培地の土壌研究に情熱を注いだという。亡くなるまでの約20年間、京都大学大学院農学研究科土壌研究室で研究を行い、土壌の特性を加古川、東条川、美嚢(みのう)川の集水域(社・東条・吉川)別に明らかにした。その結果、土壌標本(モノリス)を作成し、環境や栽培土壌の違いをはっきりと目に見える形で表す事に成功した。

 同社では、川筋の異なる3つの地域で収穫した山田錦を仕込み時期、精米歩合、製造方法が全く同じ造りをすることで土壌の違いを体感できる「龍力テロワール社・東条・吉川」を醸造しており、同館で研究に関する資料を展示するだけでなく、テイスティングできるようにした。そのほかにも「秋津」「米のささやき」「ドラゴン」といった同社の銘柄をグラス(1杯=200円~)で提供する。

 本田さんは「酒米の違い、精米歩合の違いによる飲み比べはよく見かけるが、兵庫県特A地区産山田錦産地別飲み比べはめったにない機会。日本酒の新しい価値観、楽しみ方を見つけられる蔵元でありたい」と語る。

 営業時間は9時~17時。日曜定休。

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