姫路市手柄山中央公園内にある回転展望台(姫路市西延末)が3月25日、52年の歴史に幕を下ろした。
1966(昭和41)年に開かれた「姫路大博覧会」のシンボルとして、ロサンゼルスにある空港の管制塔をまねて作られた同展望台。高さ24メートルの鉄筋コンクリート造りで4階の回転部分は床が回転する喫茶展望台となっている。最終営業日の同日、同展望台には姫路市民だけでなく遠くは県外からも名残を惜しむ人々が訪れ、開店前には約200人が行列を作った。
全国的にも現役で稼働する回転展望台は非常に少なく、床のタイル模様などからは昭和の雰囲気が漂う貴重な存在だった同展望台。老朽化が進み外壁のコンクリートにはヒビ割れが入り、回転する床が一時的に動かなくなるなどの問題が生じていた。
同展望台喫茶店「手柄ポート」の店主・北川静夫さんは、「ここ2~3年、メディアなどで取り上げ話題になって展望台がにぎわいを取り戻した。展望台から見える姫路の名所をお客さんに教えることが楽しみだった。僕の人生そのもの」と感慨深げ。親子二代で喫茶店を営業してきた北川さん。ここ数年の店内は姫路大博覧会当時のような光景をほうふつさせるとも言う。
姫路市では、同展望台を記念シンボルとして保存する意向。