姫路・東京結ぶ夜行バス「プリンセスロード」が25周年-60万人の「夢」運ぶ

「プリンセスロード」へ乗車する人。姫路駅前のバスターミナル「神姫バスセンター」(西駅前町)で。2月28日。

「プリンセスロード」へ乗車する人。姫路駅前のバスターミナル「神姫バスセンター」(西駅前町)で。2月28日。

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 神姫バス(姫路市西駅前町)の夜行高速バス東京線「プリンセスロード」が3月3日、運行開始から25周年を迎える。

発車を待つ「プリンセスロード」

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 同路線の開設は1989年3月。姫路(姫路駅)と神戸(三ノ宮駅)から東京(渋谷駅)を結ぶ同社初の高速夜行バスとして運行が始まった。東急電鉄(東京都渋谷区)との共同運行。愛称の「プリンセスロード」は「姫」(プリンセス)と「路」(ロード)をもじって名付けた。東急担当便は「ミルキーウェイ」を名乗り、両社合わせて1日1往復を設定。従来のバスにはなかった深いリクライニングの3列シートなど豪華な車内設備と安い運賃から幅広い年齢層の支持を受け、好調なスタートを切った。

 1998年6月には東急が運行から撤退。愛称を「プリンセスロード」に一本化するとともに神姫の単独路線になった。2003年12月には京王バス東(東京都府中市)が姫路・三ノ宮~新宿線で共同運行に参入。渋谷線と合わせ2往復に増便したものの、募集企画型旅行として低廉な料金を設定する「ツアーバス」が台頭。2007年3月には両路線を統合し、姫路・三ノ宮~渋谷・新宿線の1往復体制に戻った。2010年2月からは、姫路と三ノ宮の間で加古川駅への停車を開始。多い年には年間3万人を運び、25年間では延べ60万人を数える。流動は東京指向。週末に上京し、週明けまでに神戸・姫路へ戻る利用が中心という。

 ツアーバスは、安全面への懸念から2013年8月の法改正で国が規制を強化。運行業者に「高速乗合バス」への衣替えを求めたことから各地で撤退が相次いだ。姫路への発着も減少。東京側ターミナルの不便さもあり同路線へ追い風が吹く。

 「25年間にわたり怠りなく努めてきた安全への取り組みを今後も継続していく」と表情を引き締めるのは、神姫バス高速バス戦略課長・佐藤匡さん。「高品質なサービスの提供では、電源コンセントの設置やクッションの増設などを終えたところ。今日からは、流動に応じた新運賃の設定も始まった。ニーズをつかみ、的確に応えていくことで、一般路線バスのような気軽さで利用してもらえる路線に育てたい」と意気込む。

 運行時刻は姫路発21時30分、東京は新宿発22時30分・渋谷発23時。全線の所要時間は9時間30分。姫路~東京の運賃は9,450円。新設定の早割5・C運賃(月曜~木曜)では7,200円に割り引く。詳しくはホームページで確認できる。

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