姫路城「平成の大修理」を間近で見学できる施設「天空の白鷺(しらさぎ)」が1月15日、閉館した。
同施設のオープンは2011年3月。高さ46メートル余りの大天守をすっぽりと覆う工事用の素屋根(すやね)内部に見学スペースを設け、職人らが大天守の修理に携わる様子を公開することで人気を博してきた。延べ入館者数は184万3406人(姫路市発表)。屋根瓦の葺(ふ)き替えやしっくいの塗り替えといった大天守本体の工事が昨年11月に完了したことから役目を終え、閉館を迎えた。
最終日の15日は、朝から観光客らが続々と大手門をくぐり来城。同施設など有料エリアへの入り口となる「菱(ひし)の門」前に列を作った。
「最終日と聞いて、急きょ姫路への旅行を決めた」と話すのは、郡山市(福島県)在住の佐藤守茂さん。「想像よりも大きな施設で見応えも十分。一生の思い出にしたい」と喜んでいた。
同施設ほか城内で観光客らの案内に当たってきたボランティアスタッフらも登今日が最後の出番。口々に寄せられる「お疲れさまでした」「ありがとうございました」というねぎらいの声に涙を浮かべる女性スタッフもいた。見納めに訪れる工事関係者の姿も目立ち、中にはヘルメットを脱いで深々と頭を下げる人も。壁面に「ありがとう」の大垂れ幕を掲げた同施設との名残を惜しむ様子が見られた。
閉館後の同施設は順次撤去に入り、大天守の全容が再び姿を現すのは今年夏ごろ。登閣の再開は来年3月27日を予定する。