世界遺産・国宝姫路城「平成の大修理」で、大天守を覆っていた素屋根(工事用建屋)の解体工事が行われ、白色に塗り直された鮮やかな姫路城の全体像が姿を現した。
大修理では、大天守の漆喰(しっくい)の塗り替え・瓦の葺(ふ)き替え・耐震補強を重点とした補修工事が進められた。表面を漆喰で仕上げる白漆喰総塗籠造(そうぬりごめづくり)と呼ばれる工法が特徴。同工法は、防火・耐火・鉄砲への防御に加え、美観を兼ね備える意図があったという。漆喰はカビが原因で黒ずみが発生するため防カビ強化剤を塗布。1年半ほど効果が続くが、その後黒ずんでくる。今の白さが本来の姫路城だという。
城改修担当の小林さんは「来年3月27日グランドオープンに向けて、城周辺のネット環境の整備やAR(拡張現実)の仕掛けも検討中」と語る。海外の人からの「城周辺はネット環境が悪い」という言葉を返上したい考え。
解体の工程は既に1カ月半前倒し。9月にはクレーンが1台なくなり、城がすっきりと見える予定。「改修の間、観光客の減少を心配していたが、姫路城修理見学施設「天空の白鷺」が2年9カ月で延べ184万人を誘致できたので良かった」と小林さん。
現在、大天守以外の城内には入ることが可能。西の丸で行っている展示内容を一新し、姫路城の歴史を歴代の城主ごとに紹介するなど、入城者に楽しんでいただけるように工夫している。
問い合わせは姫路市まで。