姫路市役所(姫路市安田4)近くを流れる三左衛門堀で3月24日、市内に住むフェイスブックユーザー有志が集まり清掃活動を行った。
三左衛門堀は二級河川で、正式名称は外堀川。両岸は公園として整備され、桜の名所としても知られる。もともとは、江戸時代初期の姫路藩主で、現在の姫路城を築城した池田三左衛門輝政が運河として掘削。下水道の普及により水質の改善は図られているものの、水の還流が悪いという運河特有の事情から、投棄されたごみが目立つ状況にある。
清掃を呼び掛けたのは、姫路市在住の入江修司さん。たまたま訪れた堀の水面がごみだらけになっていることに気付き、その様子を撮影。フェイスブックに投稿したところ、友人らから「自分も気になっていた」などとコメントが寄せられたことから、清掃活動を思い立ったという。
「NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』の放映(2014年)や『平成の大修理』が終わる姫路城のお披露目(2015年)を控え、増加が見込まれる観光客らを美しい景観でもてなそうと考えた」と入江さん。「ごみの放置は景観を損ねるばかりでなく、水防のために設けた水門の機能を妨げるという防災上の問題もある」と説明する。
当日は、入江さんがフェイスブック上に立ち上げた「公開イベント」での呼び掛けに応じたフェイスブックユーザーら約20人が参加。市役所北通りの三左衛門堀橋から三条橋にかけての水面約300メートルの区間を約2時間かけて清掃した。
清掃には、両岸からごみを回収する熊手やたも網などの道具のほか、入江さん自作の「ごみ寄せネット」を利用。ボートも活用した。回収したごみは、缶やペットボトル、ビニール袋、木の枝が中心で、中には自転車など「大物」の姿も。
「誰かが行動し、結果を見せないことにはと何も変わらない。呼び掛けに応じてくれた20人をはじめ、清掃ノウハウを提供してくれたNPO法人『アンビシャスコーポレーション』(姫路市)にも感謝の気持ちをささげたい」と入江さん。「『まち』を美しくする活動は、防災のみならず防犯にもつながる。今後は海岸や近隣街区の清掃活動も手掛けていきたい」と展望を語る。