3月12日の九州新幹線全線開業から1カ月。同日から鹿児島中央駅直通「さくら」が上下8本停車するJR姫路駅で関係者の声を聞いた。
同駅を訪ねた4月10日は日曜日とあり、在来線のコンコースやプラットホームは姫路城観光の利用客などでにぎわいを見せる。新幹線プラットホームにも大きなバッグやスーツケースを携える利用客が目立つ。
2泊3日の旅程で熊本を訪ねるという姫路市在住の木下弘信さんは「夫婦で旅行する。熊本駅まで乗り換えがなく便利な『さくら』利用を決めた」と、話す。しかし到着の「さくら」に、同駅から九州を目指す旅行客らしき姿はちらほら。
同プラットホーム売店の西谷美義さんは「『さくら』利用客の数は少なめ。店の売り上げもほどほど」と話す。「東日本大震災の影響もあると思うが、『さくら』に使われる車両は従来の『ひかりレールスター』とほぼ同じ。目新しさに欠けるのも一因では」とも。同駅新幹線改札口の職員も「鹿児島中央駅まで最短で3時間39分と便利。もっと利用してほしい」と呼びかける。
同駅構内で営業する日本旅行TiS姫路支店の担当者は「やはり大震災の影響は大きいが、個人客を中心に問い合わせが増えている」と話し、「5月の大型連休を控え、今後は利用が増えるだろう」と期待をにじませる。