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ふるさとの記憶、キャンバスにとどめ―姫路で洋画家の内海敏夫さん追悼展

立ち止まり、熱心に作品に見入る人の姿も

立ち止まり、熱心に作品に見入る人の姿も

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 姫路市本町のイーグレひめじで開かれていた絵画展、「内海敏夫追悼展」が3月27日閉幕した。

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 同展は昨年3月に亡くなった姫路市の洋画家、内海敏夫さんの物故1周年にあたり、敏夫さんの妻加世子さん(姫路市土山)が企画した。自宅アトリエに残された水彩画を中心に、県内の民家や町並みをやわらかな色彩で描いた作品約100点を一般公開したもの。

 同展会場の入口正面には同展最大の作品で100号の油絵「神戸市藍那」を展示。神戸市北区の里山を描いた同作品を前に加世子さんは、「夫は教員として勤務の傍ら、1978年から県内の民家や町並みのスケッチを始めた。自家用車を使わずに鉄道や路線バス、貸し自転車を使ってスケッチに行く。2回ほど同じ場所へスケッチに通い、作品を描き上げていたようだ」と話し、「夫はこけの一念で描き続け、数多くの作品を残した。並大抵ではなかっただろう」とも。

 同展を訪れた姫路市の中尾由行さんは、「年輩者には懐かしい風景を描いた作品の数々に思い出がよみがえった。作品にはスケッチした年月日が記されているので、歴史資料としても価値があるのでは」と話し、熱心に作品に見入っていた。

 敏夫さんの作品は1997年に約150点が兵庫県立歴史博物館に寄贈されたものの一般公開されていないが、同館の企画展や1996年発刊の画集「兵庫の民家と町並み画集」(絶版、ただし姫路市立図書館で閲覧可能)を通じて見ることができる。問い合わせは兵庫県立博物館(姫路市本町、TEL 079-288-9011)、姫路市立図書館(同、TEL 079-289-4888)。

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