姫路市野里地区にある築100年以上の町家「芥田邸」(姫路市鍛冶町)で2月19日、瓦葺(ぶ)きや土壁塗りなどを体験する伝統工法体験会が行われた。
同イベントは、市からの助成を受けて日本工科専門学校が進めている町家再生プロジェクトの一環。「昔ながらの伝統工法を体験してもらい木造建築の素晴らしさと古い街並みが残る野里地区の魅力を知ってもらおう」と企画された。
同校の中農一也学院長は「古民家など古い建物は残しながら新しい用途を見つけ、人が集まるような仕掛けを作ってまちづくりにつなげたい」と話す。
当日は市内外から26人が参加。伝統建築の匠から指導を受けながら土壁やしっくい塗りなど左官体験のほか、カンナがけや丸太切り、継ぎ手の加工、瓦葺きなどを体験した。
初めて左官体験をしたという高原宏明さん(姫路市在住)は「材料の重さや臭い、壁の広さなどが体験を通じてリアルに実感できた。昔ながらの伝統工法を伝承していく職人たちの苦労も感じられた」と話していた。