姫路の皮革バッグ教室、車いす用バッグ開発-量産化に向け環境整備も

車いす用バッグを開発した「アトリエ千異多(チータ)」の西本さん。

車いす用バッグを開発した「アトリエ千異多(チータ)」の西本さん。

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 姫路で皮革製品のオーダーメードや手作りバッグ教室などを開く「アトリエ千異多(チータ)」(姫路市野里、TEL 079-224-2041)が開発した車いす用バッグが注目を集めている。

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 同商品は、「車いすの人に丈夫でおしゃれなバッグを」をコンセプトに、同社で働く車いすのスタッフやモニターからの意見を取り入れて開発したもの。持ち手が車いすの背の部分にかけられるようになっており、開けやすいようにファスナーに大きめのリングがつくのが特長。色はレッド、ブルー、イエロー、パープル、グリーンの5色を展開。元気が出るようにと、防犯の理由から明るめのカラーバリエーションをそろえたという。

 約3年前に、同社が運営する手づくりバッグ教室の受講生から「娘のために車いす用バッグを買いたいが、どこにも売っていないので自分で作っている」という声を聞いたのが開発のきっかけ。同社の西本敏恭社長は「以前から社会貢献できる何かを始めたいと考えていた。生徒さんからの声もあり、50歳を境にこの商品を量産できる環境を作る決心をした」と話す。

 同社が製作する商品はこれまでオーダーメードのみだったが、社長自らイタリアのかばん工場で2カ月修行し、量産に必要な設備や工程などを学んだ後、昨年6月に車いす用バッグを量産できる会社を立ち上げた。2階が作業場となっている同社は、車いすの人にも働ける場を提供できるように全フロアをバリアフリーにしたほか、縫製を行うミシンも手だけで操作できるように改良した。「現在の生産数は1週間で約10個。段取りや生産工程のロスをなくして生産数を増やすのが今後の課題」と西本さん。

 価格は30,000円。そのほか、携帯ケース(5,000円)、タバコケース(5,000円)、車いす用のシート(4~5万円=オーダーメード)なども用意する。

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