墨彩詩画家・田中稚芸(ちげい)さんと陶芸家・中野智正さんの合同展「田中稚芸・中野智正二人展」が2月5日、中井三成堂画廊(姫路市二階町)3階ギャラリーで始まった。
同展は、書と絵を合わせた「墨彩詩画」の作家・田中さんと備前焼の作家・中野さんの二人展。以前から知り合いだった2人が2006年に合同展を開催して以来、毎年同時期に開催している。今回で4回目。
1958(昭和33)年姫路市生まれの田中さんは、市内でデザイン会社を経営しながら創作活動を続ける墨彩詩画家。「その時々の自分の心の動きを素直に 描き出している」という田中さんの手法は、16年前に仕事の傍ら開いていた工作教室「チャイルドアートクラブ」で偶然生まれたもの。子どもたちと一緒に墨で半紙に絵を描いていたところ、出来上がった作品がとても面白く仕上がり、さらに作品に色を塗ったりメーッセージを添えていくうちにどんどん墨彩詩画の世界にはまっていったという。田中さんは「面白さに気付いてからは仕事そっちのけで3カ月ほど朝から晩まで取りつかれたように描いていた」と振り返る。
1965(昭和40)年生まれの中野さんは、高校卒業後陶芸家への道へ進み、約10年間にわたり金重利陶苑(備前市)や山麓窯で修業を積んだ後、28歳の時に備前市八木山に自身の窯「大蔵窯」を築き独立した。自身の作品の特徴については、「食器類は日常生活でも使いやすいように、通常の備前焼より厚みを抑えて軽く仕上げている。コストがリーズナブルなのも特徴」と中野さん。
会場では、田中さんの作品約50点と食器を中心とした中野さんの作品約200点を展示・販売する。そのほか、3万円相当の備前焼が入る福袋(1万円)も用意。
「2人とも作家になって今年で16年。互いに影響し合い変化してきた作品も円熟期に入ってきたかも?」と田中さん。「今は50代になった自分の気持ちを描く『じじい』ネタが多いが、孫ができれば孫をネタで作品を作っていきたい」とも。
開催時間は10時~19時(最終日は17時まで)。2月10日まで。