姫路の伝統工芸「明珍火箸」が初打ち-5組の火ばしを製作

軽快なリズムでつちを打つ52代目当主・明珍宗理さん。(明珍本舗工房内にて)

軽快なリズムでつちを打つ52代目当主・明珍宗理さん。(明珍本舗工房内にて)

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 姫路の伝統工芸品「火箸(ひばし)風鈴」を手がける「明珍本舗」(姫路市伊伝居上之町)は1月4日、新年を迎える恒例の行事「初打ち」を行った。

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 当日、工房では52代目の現当主・明珍宗理(むねみち)さんと三男の敬三さんが、炉で真っ赤に熱した長さ約30センチの鋼をつちでリズミカルに打ち、「世話になった人への贈り物用」として5組の火ばしを製作した。本格的な作業は明日から。

 平安時代から甲冑(かっちゅう)師だった明珍家。その鍛造技術を生かして作る火ばしは、触れ合うと「キーン」と響く澄んだ音と長い余韻が特徴。1965(昭和40)年に明珍さんが考案した火ばし風鈴が評判となり、1993年に兵庫県伝統的工芸品に指定され、1997年には日本オーディオ協会から「音の匠」を受賞。そのほか、ソニーのマイクの音質検査や映画「たそがれ清兵衛」「武士の一分」効果音にも起用されている。

 明珍さんの作品には、音にこだわった火ばしや風鈴、お鈴(りん)のほか、甲冑技術を生かした花器、茶道具などがある。近年は新たなチャレンジとして日本刀の素材として知られる「玉鋼(たまはがね)」やチタンを素材にした作品も手がける。

 2月にはミューザ川崎(神奈川県川崎市)で玉鋼で作った火ばしの演奏会も予定する。明珍さんは「イベントを通じていろいろな方に姫路明珍の魅力を知ってもらい、少しでも姫路の観光のPRになれば」と期待を寄せる。

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