東洋大学附属姫路中学校・高等学校(姫路市書写)で6月20日、科学部による「幻の伝統野菜『姫路若菜』の収穫と試食会」が開かれた。
同校は、中高一貫教育を提供する男女共学の私立校。科学部は中学生が10人、高校生が5人所属する。
同部の調べによると、「姫路若菜」は幻の伝統野菜と呼ばれ、ハウス栽培が普及していなかった昭和30年ごろまで、姫路市内で盛んに栽培されていたが、インターネットで調べたところ、姫路市内に現在5生産者しかいないことがわかった。露地栽培でも凍害を受けにくく、冬場の貴重なビタミン源として重要な役割を果たしていたという。
同部では、昨年度から「姫路若菜」の植物工場による通年栽培の実現に向け、日の長さや湿度をコントロールできるインキュベーターを使い、さまざまな条件で、200株の種子の発芽率や収穫までの生育期間、食味に影響を与える糖度の測定などデータ収集に取り組んできた。
育成に当たっては、姫路市農業振興センターや大阪市立大学との産学連携により、モジュール式植物工場の研究に取り組む「グリーンクロックス」(加西市)の指導を受け、4月から5月にかけての収穫にこぎ着けた。
試食会に向け、生徒らは収穫された姫路若菜を自宅に持ち帰り「姫路若菜のごまあえ」、「姫路若菜とベーコンのペペロンチーノ」、「姫路若菜と豚肉の炒めもの」などを試作し、レシピを持ちより、家庭科教諭が料理を作った。生徒の出口智佳さんは「自分たちで作った姫路若菜はおいしい。家庭科の先生は料理が上手でうれしい」と笑顔を見せる。今後は、現代風にアレンジした食べ方の研究やセンサーを使った栽培管理ロボットの製作などに取り組むという。
同部では6月22日に行う文化祭で姫路若菜の販売を行う予定。