姫路市林田町の酒造会社「ヤヱガキ酒造」(姫路市林田町六九谷、TEL 079-268-8080)で11月16日、今年も無事に良酒ができたことを告知する酒蔵の恒例行事「酒林(さかばやし)の飾り付け」が行われた。
同社は創業寛文6(1666)年、主に「八重垣純米大吟醸山田錦」などの清酒を製造する。同社では、10月下旬から仕込みが始まり、今月14日に初搾(しぼ)りが行われた。
「酒林」は杉の葉を束ねて球状にまとめたもので、八重垣の酒林は軽トラック1台分の杉を使った直径約80センチ、重さ70キロ~80キロあるもので、日本でも最大級の大きさという。当初、鮮やかな緑色をしている酒林が日の経過とともに茶色に変わっていくさまが、酒が熟成していく様子を表しているという。
飾り付けは、八重垣の杜氏として45期目を迎える田中博和さんによって行われ、無事に飾りつけられた時には、観客から拍手が起こった。「今年もいい酒ができた。みんなで一致団結して造った甲斐がある」と田中杜氏は笑顔を見せる。
今年初めて搾られた新酒「無濾過生原酒 しぼりたて」、「新酒限定にごり酒」は、11月25日から一斉に蔵出し予定。シリアルナンバー入りの木札が付いており、裏に杜氏自身が書いた酒造りに対する思いが毎年、書き起こされている。今年の木札には「酒は心で造るもの 酒造りは仕事ではない 愛情つくす 子育てなのだ だからこそ心を潤す酒となるのだ」と記されている。
早いところでは当日から店頭に並ぶ予定。