姫路駅前の商店街「みゆき通り」の一部にお目見えした「謎の柱」約10本が現在、アーケード内を通行する人を右往左往させている。
柱は直径約40センチ。高さは目測で10メートルほど。南北に延びる商店街約600メートルのうち、JR姫路駅前から十二所前線にかけての区間約160メートルに、約10本が街路をふさぐように並ぶ。柱の一部には、街路にかぶさるアーケードの屋根を突き破り、先端の様子が見えないものもある。
柱が設けられたのは7月中旬。地面からの高さ約2メートルまでを覆うように黄色いビニール製のクッションが巻き付けてあることから、ボクシングで使うサンドバッグのようにも見える。地元ネットユーザーらの間ではツイッターを中心に話題を呼び、「この柱なに?」「シュールやし、めっちゃ邪魔」「(テレビゲームの)スペースハリアーごっこができる」といった声が上がった。
アーケード街を歩く人は、突然出現した柱に戸惑いを隠せない様子。立ち止まって柱を見上げる人や、「なんやろこれ」「邪魔くさいねぇ」などと会話する女性2人連れも。
取材日の8月11日15時ごろには、ドコモショップ姫路みゆき通り店前にある1本の脇を10分間に約200人が通過。うち7組18人が柱を話題にした。スマホや携帯電話などで写真を撮影した人は2組7人。乗車しての通行が禁止されている自転車で危うく衝突しそうになった人も1人いた。通りすがりに「サンドバッグ」をなでたり、指でつついたり、パンチする人は中高齢の女性に多く見られ、10組23人。うち1組2人は「サンドバッグ」を両腕で抱くようにさすりながら柱を見上げ、2周した。
関係者によると、柱は仮設の電柱。「みゆき通り」のうち、同区間の商店主らがつくる「姫路駅前商店街振興組合」が管理するアーケードのふき替え工事期間に限り、電線と電話線を移設するという。「サンドバッグ」は、通行する人の衝突に備えてのもの。「通行しにくい上に見栄えも悪いが、しばらく辛抱してほしい」と話す。