姫路市民会館（姫路市総社本町）で3月21日、既存商店街の魅力向上を目的に「姫路商業まちづくり協議会」がアイデアを募集した「商店街元気アイデアコンテスト」優秀提案の表彰式があった。

表彰式に臨む受賞者らの様子

　姫路市商店街連合会などがつくる同協議会。同コンテストは、姫路市内の既存商店街が目指すイメージアップや集客力の促進などの課題解決に向け、市内外から広くアイデアを募集したもの。67案が集まった。

　既存商店街は近年、消費行動の変化で波をかぶり苦しい立場。神戸や大阪といった大都市との都市間競争での劣勢や郊外型商業施設の台頭に加え、今春には足元の姫路駅前でも地下街「グランフェスタ」（駅前町）のリニューアル（3月28日）や東急ハンズを核テナントとする新駅ビル「ピオレ」（同）のオープン（4月30日）を控える。2015年には、駅東地区にシネコンが入る都市型商業施設（同）も開業予定。2016年にかけては山陽百貨店（南町）も順次増床の方針を明らかにしている。

　「行き着くところまで行き着いた感。既存商店街は厳しい状況が続くだろう」と関係者の一人。ため息をつきながらも、「市民から多数の『元気アイデア』が寄せられたことを知り、姫路の町への『愛』や『期待』といった気持ちを感じさせられた」と話し、「寄せられたアイデアを事業化し、実行することで気持ちに応えたい。姫路駅前への新たな商業施設の集積もチャンスと捉え、増加が見込まれる来街者を既存商店街に呼び込むきっかけにしていかねば」と意気込む。

　当日は、優秀提案のうち銀賞と銅賞の受賞者（金賞は該当者なし）と、選外となった提案に対して設けた「特別賞」の受賞者ら4者のうち3者が出席。同連合会の松岡淳朗会長が賞金の目録を手渡した。

　「単発のイベントに終わらず低予算で継続できる事業性を念頭に置き提案した」と「『姫路まちセリ』開催によるまちの強み発掘・アピール事業」で銀賞を受賞した「チームGA（ビズパワーズ）」（大阪市中央区）の代表柳瀬智雄さん。

　「新奇性あるいは新規性を念頭に置き、ソーシャルメディアや得意分野のITを生かしてもらえる事業を提案した」と「身近なIT技術を活用した商店街の戦略的情報発信」で銅賞を受賞した神辺圭一さん（姫路市在住）。

　「ひめじ商店街甲子園『商店街の逸品を高校生がプロモーション』」で特別賞を受賞した「ソーシャルメディア姫路交流会」（姫路市）の代表長沼実侑紀さんは「参加者の友人や家族をダイレクトに集客して盛り上げるイベント性を打ち出した」と話した。

　「若者・バカ者のまちづくり担い手育成プロジェクト」で特別賞を受賞した「姫路コンベンションサポート」（姫路市）の代表玉田恵美さんは、自身の案について「次世代のまちづくりを担う人の育成を図ることでの将来性が期待できる案」とコメントを寄せた。