姫路駅南の「じばさんビル」(姫路市南駅前町)で1月15日、姫路をはじめとする播磨地域の酒蔵(酒造家)が提供する新酒の試飲会「播州・旬酒蔵出し」が開催された。
この冬に醸造した搾りたての新酒を味わってもらおうと開かれた同イベント。播磨の酒文化と食文化を研究することで同地域の発展に貢献しようと活動する NPO「播州(ばんしゅう)・酒・食・文化懇話会」(播酒懇)が、姫路酒造組合と共同で開催した。今回で11回目。試飲会には、姫路市内から5蔵と、宍粟市と赤穂市、明石市から各1蔵の合わせて8蔵が参加。兵庫県産の酒造好適米「山田錦」のみで醸造し、蔵出ししたばかりの新酒を「播州・旬酒」と名付け、蔵や銘柄の枠を超えて提供した。
当日は、じばさんビル内に特設会場を設置。約200人が集まり各蔵の「播州・旬酒」をにぎやかに試飲した。新成人には、入場料を割り引くとともに会場内で日本酒講座「旬酒道場」を展開。講座では、播磨産日本酒の特徴を学びながら、スマートな味わい方や楽しみ方のアドバイスを受ける若者らの姿が見られた。
「晴れて新成人となったことをきっかけに試飲会へ参加した」と14日に成人式を迎えたばかりの清水つばささん(加古川市在住)と松本梨沙さん(姫路市在住)。「会場でお気に入りの銘柄を見つけたい」と話し、「これからも日本酒に親しんでいくつもり」と声をそろえた。
「回を追うごとに盛り上がりを見せ、特に若い人の姿が増えてきたことをうれしく思う」と 播酒懇の石田康世さん。「酒蔵と日本酒ファンとが直接交流できるイベントの開催が、播磨で醸される酒の品質向上につながれば」と期待を寄せる。