人が集まる「サロン」を大学のキャンパスになぞらえ各地で講義「トークサロン」を開講する「サロン文化大学」が11月17日、1日限定で姫路のゲストハウスにキャンパスを開設した。
「おもろい」(=関西弁で「面白い」の意)活動に携わる人や、「みんなが憧れる」ような職業に就く人との対談イベント「トークサロン」を講義のメーンに据える同大学。編集者でコピーライターの狩野哲也さん(大阪府寝屋川市在住)が2008年3月、大阪市北区内で立ち上げた。現在は、各地でキャンパスを開設しながら「出前講座」を開いている。
姫路での開設は今回が初。当日は、姫路のゲストハウス「ひめじ588(ガハハ)ゲストハウス」(姫路市本町)に1日限定で臨時キャンパスを開設。「人が集まる場所を作る」をテーマに狩野さんがホストを務め、講師3人をゲストに迎えてトークサロンを開講。約10人の聴講生が集まった。
講師3人のうち2人はゲストハウスの宿主で、今回の講義にキャンパスを提供した松岡京子さんと、鳥取県でゲストハウス兼シェアハウス「たみ」を運営する蛇谷りえさん。残る1人は前田有佳利さん(東京都荒川区在住)で、ゲストハウスとシェアハウスの情報に特化したポータルサイト「FootPrints(フットプリンツ)」を運営する。
3人は順番に登壇し、それぞれスライドを上映しながら自らが運営する「人が集まる場所を作る」事業について開設に至った経緯や現在の状況など説明。飛び出したジョークにキャンパス全体が湧く場面も見られるなど、講義は和やかな雰囲気に終始した。
「人が集まる場所の選択肢を増やすことで、つながりが希薄化していく現代社会に新たなライフラインを構築したい」と狩野さん。「観光都市の側面を持つ姫路での講義は、外から訪れる人をうまく受け入れられるコミュニケーションのあり方を聴講生に理解してもらえるよう心掛けた。(姫路を)訪れる人との交流を当たり前にしていくことで、訪れる人と住む人の両方が面白いと感じる街・姫路をつくり上げてもらえれば」と期待を寄せる。
次回は11月23日で、奈良県立図書情報館(奈良市)にキャンパスを開設。「地域と自分とのつながりを考える」をテーマにフォーラム形式で開講する予定。詳しくはホームページで確認できる。