姫路市書写の里 姫路美術工芸館(姫路市書写、TEL 079-267-0301)は現在、日本に古くから伝わる古代織物のルーツをたどる企画展「日本三大原始布展」を開催している。
同展は、「アジアの布を纏(まと)う」などの著書があり、日本やアジアの伝統布の企画展を全国で開催している大橋ひろ美さん(姫路市在住)が企画したもの。会場には「しな織り創芸」(山形県)の石田誠さんや「大井川葛布」(静岡県)の村井龍彦さんのほか、「喜如嘉の芭蕉布保存会」(沖縄県)の平良敏子さん(人間国宝)が制作したバッグや帯、帽子など約200点を展示する。
科布(しなふ)は、科の木の皮繊維から作る織物で日本最古の織物として山形県の伝統工芸品に指定されている。通気性が良く、軽くて水にも強いのが特長。葛布(くずふ)は、葛のツルから繊維を取り出して作る織物で静岡県の特産品として知られる。光沢があり軽く丈夫で古くからはかまや陣羽織、襖(ふすま)などの生地に使われていた。芭蕉布は、沖縄地方に古くから伝わる布で、通気性が良く穏やかな自然色が特長。
「平良さんの作品を一堂に見られることはめったにない」と大橋さん。「日本古来より伝わる丈夫で美しい織物に触れてもらい、先人たちがわたしたちに伝えてくれた知恵を感じてもらえれば」とも。
開館時間は10時~17時(最終日は15時まで)。入館料は300円。1月24日まで。