兵庫県立大学環境人間学部(姫路市新在家本町1)で11月19日、地方でのキャリア形成「ローカルキャリアデザイン」を推進しようとワークショップが開かれた。
ワークショップは同学部による産学公連携の一環。文科省の肝いりで同大学が全6学部を挙げて取り組む「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」のうち同連携分野のオープニングイベントとして「エコ・ヒューマン地域連携センター」が開いた。COCとは「Center of communit」の略称。地域コミュニティの中核的存在として大学の機能強化を図ろうと大学と自治体、地元経済界が連携する。地域を志向した教育・研究・地域貢献を支援することで、課題解決に貢献する人材や情報、技術を集めようというもの。同大学では「ひょうご・地(知)の五国豊穣イニシアティブ」 として提案。今年8月、採択の内定を受けた。
ワークショップには異業種交流会「コラぼる会」が参画。姫路を中心とする播磨地域の若手経営者や幹部候補の会社員といった社会人が集まることで独自の事業コラボレーションを生み出そうと活動してきた実績から、ローカルキャリアデザインの実践に努める「先輩」としてCOCの推進に一役買う。
当日は、学生と社会人合わせて約70人が参加。「大学は地域の中核たるべし。COCを核に地域とのつながりを深めてもらいたい」と話す同センター長・熊谷哲教授の式辞でスタートした。参加者らは「仕事のやりがい」など2つのテーマでグループに分かれディスカッションを展開。同センター長代理・内平隆之教員が「学生はとにかくしゃべること!」と発破をかける中、盛んに意見が交わされた。
ワークショップを前に参加者の一人で愛媛県出身の成川啓悟さん(同学部2年生)は、「姫路の魅力について語ろうとしても、なかなか難しいところがある。若者を引き付ける商業施設や娯楽施設の集積に乏しいというのが本音」とポロリ。「遊べる場所があって、働く場所もあるのが一番。両方が魅力的であれば、ローカルキャリアの形成につながると思う」と話した。
「五国豊穣イニシアティブ」 は2018年度まで5年間の展開を予定。