姫路駅前で整備が進む「北駅前広場」に建設中の「姫路城眺望デッキ」が間もなく完成する。
整備後の同広場で「目玉」の一つに位置付けられる同施設。高さ約15メートルの鉄骨造り2階建てで、巨大な門のような外観を見せる。
施設の1階は、同駅中央改札口から姫路城へ通じるメーンストリート「大手前通り」へアクセスする利用客を迎えるエントランスとして機能。2階は、大手前通り北端にそびえ、2015年完成に向けて保存修理工事中の姫路城大天守を真正面から望める「眺望デッキ」として開放するという。小林正美さん(建築)と小野寺康さん(都市設計)、南雲勝志さん(プロダクトデザイン)の3人でつくる駅前広場デザインチームが、総合アドバイザーとしてデザインと施工の管理にあたった。
同施設を印象づける建材は、外観の「鉄」と内装の「杉」。「鉄」は、姫路市の製造品出荷額で一貫して上位の座を保つ「鉄鋼製品」のイメージを採り入れた。「杉」は、市内の中山間地・安富町産の杉材を使用。屋根にはソーラーパネルを並べ、太陽光発電も行う。
鉄材が縁取る外観の力強いイメージとは対称的に、杉材をふんだんに使うデッキの2階は、「柔らかさ、温かさを表現している」と南雲さん。「姫路への来訪者を第一に出迎えるもてなしの空間になれば」と話す。
同施設では現在、2階デッキから駅ビル「ピオレ」、山陽百貨店西館「キャスパ」を結ぶ歩道橋の建設を急ぐ。歩道橋のデザインは同施設と共通で、歩道橋下に整備されるバスターミナルや、神姫バスが新たに建設するバスターミナルビルへもつながる。歩道橋と併せての同施設供用は6月15日の開始を見込む。