宮城県を起終点に日本一周を目指すリヤカーが2月24日、姫路入りした。
リヤカーをバトン代わりにリレー形式で日本一周を目指す同リヤカー。東松島市(宮城県)でがれき処理のボランティア活動に参加していた工藤雅生さん(名古屋市北区)らの発案で、同市内のがれきから掘り出されたリヤカーを送り出した。
リヤカーの出発は2011年10月31日で、区間ごとに引き手を変えながら南下。移動は徒歩か船のみとしながら全国47都道府県の本庁舎前を通過することをルールに、2012年元日には東京都庁へ、今年1月27日には兵庫県庁へ、それぞれ到達した。
リヤカーが姫路に入った2月24日は出発から通算482日目。うち、実際に移動した日数は79日で、「この間、幼児から60代の人まで延べ230人以上が引き手を申し出てくれた」と工藤さん。「引き手の申し出がない日には、各区間の最終地点で周辺の民家や商店、寺院などにリヤカーの保管をお願いしてきた」と説明する。
この日は、当日まで2日間の予定で引き手を申し出た三上綾香さん(横浜市在住)ら5人が姫路入り。姫路城や「ひめじ手柄山遊園」(姫路市西延末)での観光も楽しみながら、区間最終地点の英賀保駅(飾磨区山崎)を目指した。
英賀保駅に到着後は駅前で記念撮影。次の引き手が姫路入りするまでの約2週間、リヤカーの保管を引き受けた西蓮寺(同)を訪ねた。住職らから茶菓のもてなしでねぎらいを受けると、疲れた様子も見せず笑顔で応じ、住職らへリヤカーがたどった「旅」の経過などを説明した。
「リヤカーをリレーして日本一周できたら楽しそう。そんな思いつきで始まった企画」と工藤さん。東日本大震災での被災地支援との関連性については、「支援を目的とした活動ではない。リヤカーを引くことで被災地が復興するとは考えていない」とキッパリ。「ただしリヤカーを引く人々が、各自の責任で主張したいメッセージを伝えることは容認している」という。
リヤカーは今後、姫路から岡山県を経て香川県に入り、時計回りで四国4県を回る予定。詳しくはホームページで確認できる。