迎春準備がたけなわを迎える姫路駅前のアーケード街で現在、各商店がクリスマス向けのディスプレーを正月向けに衣替えし、新年を待ちわびる様子が見られる。
アーケード街の一つ・二階町通りの陶器店「こーま」(姫路市二階町、TEL 079-281-3500)では、他店に先駆け12月24日にディスプレーを衣替え。店頭では、「ユズリハ」の葉などをあしらうしめ縄を引き回し、しめ飾りや「笑門来福」の神札も掲げて新年の訪れを待つ。
「新しい葉が出そろうと古い葉を一斉に落とすことから『譲り葉』ともいう『ユズリハ』は、家が代々続いていくことを願う縁起物で宮島(広島県)から、笑門来福(笑う門には福来たる)の神札は熊野(和歌山、三重両県の一部)から、それぞれ風習を取り入れたもの」と店主の高馬和宏さん。「魔を払うとされる獅子舞の『獅子』も飾るなど、縁起がよい風習はどんどん取り入れている」と説明する。
ディスプレーの中でも目を引くのは、先代店主が会津(福島県)から買い求めてきたという大型の凧(たこ)3枚で、お目見え以来昭和後期までは正月恒例のディスプレーとして毎年店頭へ掲げ、買い物客らに親しまれていたもの。今年は約30年ぶりに3枚そろえて飾り付けた。
「姫路の『まち』が活気にあふれていた頃のディスプレー。空高く舞い上がる凧になぞらえ景気浮上をと思い立ち復活させた」と高馬さん。「二階町通りをはじめとするアーケード街のにぎわいや、みなさんの『元気』にもつながれば」と願いを込める。
同店は31日から正月休み中だが、凧はアーケード街を通る初詣客などを店頭で迎える。初売りは1月4日。6日までの3日間は1,000円以上の購入客に粗品(各日30個限定)も配る。営業時間は9時30分~18時(7日から18時45分)。