JR西日本姫路鉄道部(姫路市飾西)の職員らが現在、同鉄道部が運行を担当する路線「姫新(きしん)線」の魅力を沿線地域に発信するプロジェクト「姫新しゃい」に取り組んでいる。
姫路と新見(岡山県)の両駅を結ぶ同線。同鉄道部は、姫路~上月(佐用町)間約51キロの運行を担当する。同区間は2010年3月までに「高速化事業」が完了。設備の更新や新車の導入などを行うことでスピードアップや増便などが実現した。併せて、同区間での年間利用客数300万人を目指す取り組み「チャレンジ300万人乗車作戦」を沿線自治体と共同で実施。目標に届いてはいないものの15%ほど利用客数を増やし、現在も取り組みが続く。
「姫新しゃい」の始動は2010年5月で、同鉄道部に勤める運転士や駅員、車両基地職員らが企画。姫新線に「来てください。おもてなしの心でお迎えしたい」との思いを込めて路線名をもじり、プロジェクト名を「姫新しゃい=来(き)しんしゃい」とした。
同プロジェクトでは、沿線住民らを対象に鉄道への興味を深めてもらおうと、地域に根差した活動を展開。今年の夏は7月に「車両基地見学会」を、8月は「姫新線の鉄人になろう講座」を、それぞれ実施した。両イベントとも主な対象は小学生とその保護者で、利用客増にもつなげたい考え。
「プロジェクトを通じ沿線地域と密着することで鉄道の仕組みや業務を理解していただくとともに、魅力あふれる鉄道として愛着を深めていただければ」とJR西日本広報部の齋藤拓司さん。「お客さまから安心・信頼して利用いただける姫新線を目指し、今後もプロジェクトを継続していく」と話す。