姫路の数少ない町家の保存と活用を考え活動する「姫路・町家再生塾」は10月29日、町家を利用したカフェ「しょうあん」（姫路市材木町、TEL 079-297-0828）をオープンした。

　同店は、兵庫県立大の志賀咲穂教授が主宰する「姫路・町家再生塾」が活動の拠点として利用していた町家で、もっと多くの人に町家の良さを体験してもらいたいという思いから、姫路菓子博の間に期間限定で営業した。期間中の運営は好評で、周辺から常設を希望するの声も上がり、今回のオープンにこぎ着けた。

　明治時代に建てられた同店は、衛生上の問題から厨房は改装したが、それ以外はほとんど手を加えることなく活用している。そのため「カフェに来たというより、おばあちゃんの家に来たような気分になる人も多い」とオーナーの橋本悠子さん。

　町家をそのまま利用してカフェにした理由は、「城下町の風情を味わって、ゆっくりとくつろいでもらう」という以外に、「人とのかかわりや町とのかかわりを強く持とう」というメッセージも込めたという。同塾代表の志賀さんは「最近は個人のスペースを大事にして、人とのコミュニケーションがどんどん少なくなっている。人とのかかわりを深く持っていた町家の生活スタイルが、これからのより良い都市建築の生活スタイルに必要なのでは」と話す。

　メニューは、コーヒー・紅茶　（400円）のほか、「和菓子セット」（600円）、「ケーキセット」　（700円）、「ごはんセット（週替わり）」（900円）などのセットメニューを用意。
11月25日からは「モーニングセット（豆乳パン、黒糖パン、サラダ、おかず1品、ヨーグルト、飲み物）」（650円）の提供も始める。

　営業時間は10時～17時。日曜・月曜定休。