山陽電鉄など関西の民鉄11社局が9月1日、20年に1度の式年遷宮に合わせ、伊勢神宮(三重県)への参拝客向け企画乗車券「ご遷宮記念 伊勢神宮参拝きっぷ」を売り出す。
式年遷宮は、20年ごとに社殿を一新する同神宮の行事。今回で62回目。10月2日には内宮で、同5日には外宮で、それぞれ旧社殿から新社殿へご神体を遷(うつ)す神事「遷御」を執り行う。
同乗車券には、発駅から近鉄線・伊勢志摩方面までの往復乗車券に近鉄特急券も往復分でセット。山陽電鉄など関西の民鉄10社局が近鉄とのコラボで売り出すと共に、近鉄は自社線内発着分を独自で設定する。
同乗車券では、伊勢神宮への最寄り駅「伊勢市」「宇治山田」両駅を含む「松阪~賢島」間をフリー区間に設定。利用客はフリー区間の各駅で自由に乗降できるほか、松阪と伊勢、鳥羽、志摩の4地区で三重交通の路線バスを乗り放題で使える。併せて周辺の観光施設やレンタカーでは、乗車券の提示で料金の割引などを受けることもできる。
山陽電鉄発売分で姫路市内の各駅から利用できるのは、山陽姫路・山陽網干~西新町(明石市)の各駅発着を対象とする「山陽版-2」(=7,600円)。最寄り駅から神戸高速鉄道線と阪神電鉄線を経て大阪難波か鶴橋で近鉄特急に乗り換えることになる。姫路から伊勢市までの往復で通常かかる運賃は、同ルートで8,740円(近鉄特急料金含む)、名古屋を経由するJRで22,500円(新幹線特急料金など含む)。片道にかかる時間の目安は、同ルートで約4時間、JRで約3時間。
姫路市在住の鉄道ファンで水野雅滋さんは、「姫路から民鉄だけを乗り継いで伊勢神宮を参拝できるとあって鉄道趣味的に面白いばかりでなく、費用や所要時間の面でも実用に優れた企画乗車券ではないか」と話す。
利用できる期間は10月1日~来年3月31日で、有効期間は利用開始日を含む3日間。姫路市内での発売場所は、山陽姫路と飾磨、大塩、山陽網干の各駅。詳しくはホームページで確認できる。