阪神淡路大震災の発生から18年目を迎える1月17日、姫路市内の小学校で同市が備蓄する非常用保存食を学校給食として児童に味わってもらう「非常食体験給食」を実施する。
保存食の試食を通じて防災を学んでもらおうと、毎年1月17日に合わせて実施する体験給食。2007年に初めて実施して以来、今年で7回目。市立小学校69校のうち今年の対象は17校で、大規模災害の発生に備えて市が備蓄する非常用保存食から、消費期限を迎える食材の一部を給食として提供する。
17校の一つ「荒川小学校」(姫路市井ノ口)では、体験給食と同時に防災授業を実施。児童らは、各教室で配る防災リーフレット「学校で地震が起きたら?」で身の守り方や避難の方法などを学びながら、水や湯でもどすと柔らかくなる乾燥米「アルファ化米」のパック入り五目ご飯を調理。副食の「白菜の煮びたし」と併せ主食として味わう。
「南海トラフを震源とする巨大地震では、姫路でも防波堤を超える津波が到達する可能性がある」と市内の1級建築士で地域役員も務める入江修司さん。「いち早く逃げる姿を恥じないこと。避難をを率先することは、むしろ『かっこいい』ことだと考えてほしい」とアドバイスする。
気象庁が設置する姫路特別地域気象観測所(神子岡前)の地震計では、1995年に同震災で震度4を記録して以来、大きな揺れを観測していない。震度3も2000年に観測した1回のみ。2012年では、震度1以上の地震を観測しなかった。
「同観測所は固い岩盤の上に立地。震度が小さめに観測される傾向にあることにも注意してほしい」と入江さん。「災害は地震に限らない。姫路では風水害による河川の氾濫や高潮にも備えが必要」と話し、日頃の備えと防災意識の向上を呼び掛ける。