本格的な田植えの季節を迎え、姫路市内の水田に田植機のエンジン音が響く。5月29日。
姫路市夢前町の山本真一さん宅もこの日が田植え。例年よりも梅雨入り(26日)が早かった上に台風2号も接近。風雨が強まる中、「我が家は兼業農家。農作業は週末に済ませたい。特に田植えは農業用水の関係で作業日が限られる」と、田植機に乗り込み水田へ。
山本さん所有の水田面積は、約3反(約31アール)。「ヒノヒカリ」を中心に、赤米(あかまい)と呼ばれる古代米の一種、「むらさきの舞」も一部に作付けするという。
「『むらさきの舞』への関心は、4月にデザインが決まった『ひめじ田宴アート』への採用から。自家消費を目的に、今年初めて作付けを決めた」と、山本さん。田植機により「ヒノヒカリ」を植え終えると、水田の片隅に「むらさきの舞」を手植え。
山本さんによると、「米は、量販店での購入が自家生産よりも安くつく」といい、後継者不足も重なり稲作をやめる農家は少なくないという。しかし山本さんは、「苦労はあるが、先祖から受け継いだ水田を守る気持ちに変わりはない」と、きっぱり。高砂市に住む次女の手を借りながら稲作を続ける方針という。
「収穫の喜びはひとしお。特に今年は『むらさきの舞』の出来栄えが楽しみ」と、山本さん。稲刈りによる収穫は、9月下旬~10月上旬を予定。