姫路の同人文芸誌「播火」が昨年12月25日、第70号を記念する2,000字の小説集「増殖」を出版した。
播火は1989年に創刊した文芸誌。年に4回発行する季刊誌で、10号ごとに記念号として掲載作品をまとめた小説集を出版している。
同小説集は、播火の同人15人(うち姫路在住の同人10人)が、5年前から読売ファミリーニュース紙に月1回リレー連載している「掌編小説シリーズ」の作品を集めたもの。表題の「増殖」は同誌の編集発行人を務める柳谷郁子さんの作品のひとつ。以前、柳谷さんが病を患い入院した際に、何度も見たという夢の場面を短編小説化した。2,000字の小説43作品を収める。
推敲(すいこう)、校正をひとりでこなすという柳谷さんは「姫路の優秀な書き手は播火にそろっている。播火に参加している同人は皆、日常生活に追われながら執筆しているため、書くための時間を十分に持てないという人も少なくない。そういう人たちが自由に小説を書いて発表できる場を今後も提供してあげたい」と話す。
仕様348ページ、定価1,300円。姫路市内の主要書店で販売している。問い合わせは「播火」事務局(TEL 079-246-0545)まで。