JR姫路駅が12月22日、在来線の高架化完了から5周年を迎える。
高架化は兵庫県の事業で、基本構想を1973(昭和48)年に発表した。駅南北に広がる市街地の一体化と交通の円滑化を目的に青写真を描いたものの、旧駅の在来線は主なホームだけでも9線あったほか貨物や車両の基地も併設するなど県内屈指の規模を誇っていただけに工事は難航。2008年の完成までには35年の年月を要した。
事業には、姫路市と旧国鉄・JR西日本も協力。区画整理など周辺の整備を先行して進めた。駅の両側にあった陸橋「朝日橋」「大将軍橋」は撤去。貨物基地は市東部の別所地区へ、車両基地は西部の飾西地区へ、それぞれ移した。
2006年3月になってようやく、山陽本線の新ホーム2面4線が完成。新駅の一部供用が始まった。同時に駅の東西約4.3キロも立体交差になり踏切7カ所を廃止。2008年12月には、残る姫新線と播但線が共用する1面2線のホームも完成した。高架下にはJRの関連会社が運営する商業施設「プリエ姫路」(現在のピオレ姫路ヤング館)もオープン。同駅は面目を一新し、事業の完成を見た。
今年春には、旧駅ビルに代わる新しい駅ビルも完成。東急ハンズを核店舗に据える「ピオレ姫路」が開業し、長らく変化に乏しかった中心市街地の商業地図を塗り替えた。
「新駅はスマートで使いやすい反面、これぞ姫路駅といえる『らしさ』が薄れたように思う」と駅利用客の山崎治夫さん(姫路市在住)。「ホームにある名物そば店のにぎわいなど、変わらないところもある。5年たって、やっと慣れてきた感じ」と話す。
同駅周辺では現在、市の新たな玄関口となる「北駅前広場」の工事が進展。広場西側では2015年春の完成を見込む神姫バスの新バスターミナルビルが工事に入ったほか、東側では、シネコン併設型商業施設(2015年冬開業予定)や21階建ての超高層ビルとして2016年冬のオープンを目指す「ホテルモントレ姫路(仮称)」など3施設が着工を控える。