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姫路・幻の踏切が迎えた「踏切の日」-地図上では立体交差、誤表記続く

幻の踏切「新網干踏切道」(姫路市網干区垣内中町)。インターネットの地図提供サービスやスマートフォン向け「地図アプリ」の多くが、踏切を「陸橋」と誤って表記している。「踏切の日」(6月23日)に撮影

幻の踏切「新網干踏切道」(姫路市網干区垣内中町)。インターネットの地図提供サービスやスマートフォン向け「地図アプリ」の多くが、踏切を「陸橋」と誤って表記している。「踏切の日」(6月23日)に撮影

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 「踏切の日」の6月23日、姫路の山陽電鉄網干線にある「地図にない踏切」(新網干踏切道、姫路市網干区垣内中町)にも変わらぬ日常が訪れた。

地図の多くが「陸橋」と誤って表記

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 平松・山陽網干駅間にある同踏切。1日あたりの定期列車通過本数は平日ダイヤで上下156本、休日ダイヤでは146本。保安装置として警報器と遮断機、赤外線による「踏切支障報知装置」を備える。幅員は12メートルと、同電鉄線内に177カ所(駅構内を除く)ある踏切では17番目の規模。同地点で市道「横堤線」と交差するが、インターネットの地図提供サービスやスマートフォン向け「地図アプリ」の多くが市道を「陸橋」と誤って表記。正しく改められることなく現在に至る。

 「この踏切は、市道の整備に伴い1981(昭和56)年ごろに新設されたもの。国内では長年にわたり、事実上、踏切の新設が禁じられてきた。当時としても新設は、例外中の例外といえる」と姫路市在住の鉄道ファン、水野雅滋さん。「地図会社の担当者が『踏切の新設はない』と思い込み、市道を既存の地図へ書き加えるときに陸橋としたことが、現在まで続く誤表記の始まりではないか」と推察する。

 地図上で「幻の踏切」状態が続いていることについて水野さんは「この踏切は、名古屋から一本の線路でつながる関西私鉄各社線で『最西端の踏切』。幻のままではやりきれないので、地図は早急に訂正してもらいたい」と「鉄分」もあらわに憤慨する。「都市計画地図によると、市道を立体交差化する構想があるようだ。実現すると踏切は廃止になる公算が大きい」とも。

 「踏切の日」は、踏切での事故撲滅を願って鉄道事業者らが制定。2(ふ)3(み)の語呂合わせから毎月23日と定めているが、梅雨の降水で視界や路面状況が悪くなる6月23日を年間で最も注意すべき「踏切の日」としてきた。国内における踏切での事故件数は1961(昭和36)年度の3,123件(国土交通省調べ)がピーク。保安装置の整備や立体交差化の進展もあり、2011年度では331件(同)と約10分の1にまで減ったという。

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