山陽電鉄と阪神電鉄の直通特急が2月15日、姫路・梅田間での相互乗り入れによる運転開始から15周年を迎えた。
両社は、1968(昭和43)年に区間を限っての暫定的相互乗り入れを開始。両社の路線同士を接続することなどを目的に神戸市が第三セクター方式で建設した神戸高速鉄道の区間をはさみ、姫路発の山陽電鉄は阪神の大石(神戸市灘区)で、梅田発の阪神電鉄は山陽の須磨浦公園(同須磨区)で、それぞれ主に特急が折り返して運転するようになった。
両社は1997年、姫路から梅田までの全線にわたる相互乗り入れの開始を発表。1998年2月のダイヤ改正で新たに「直通特急」を設定し、同15日から運転。路線の接続から30年の節目に、初めて本格的な相互乗り入れが実現した。
当初のダイヤでは、直通特急を区間便を含め上下合わせて平日に92本、土曜休日には72本設定。昼間時には30分ごとの運転を基本とした。以来5回のダイヤ改正により増発を重ね、現在は、平日に155本、土曜休日には141本と、昼間時も10~20分ごとに運転することで利便性を向上。姫路から元町を経て梅田までの91.8キロを、最速92分で結ぶ。
「梅田へ行くにはJRの新快速もあるが、もっぱら直通特急を利用している」と姫路市在住の藤井教子さん。「所要時間が30分ほど余計にかかるものの、運賃は往復チケットを利用すれば2,000円と、JRの往復運賃2,900円に比べ安くつくのが魅力。姫路への帰りには、梅田が始発駅なので座れるのもありがたい」と話す。
同電鉄では2月12日、直通特急が高砂市の踏切でトラックと衝突。6両編成の先頭から2両が脱線し、乗客など15人が重軽傷を負う事故に見舞われたが、14日の始発からは平常通り運行している。