山陽電鉄と阪神電鉄、近鉄の私鉄3社が2月24日、山陽姫路~近鉄奈良間約126キロを直通するイベント列車「姫路~奈良 直通列車で行く山陽・阪神・近鉄 私鉄3社車庫巡り」号を運行する。
神戸高速鉄道(西代~元町)を介して軌道がつながる3社。現在は、山陽姫路~阪神梅田で山陽と阪神が直通特急を、阪神三宮(一部新開地)~近鉄奈良で阪神と近鉄が快速急行を、それぞれ相互乗り入れで運行している。
同イベント列車は、私鉄ネットワークの利便性を幅広くPRしようと3社が合同で企画。初めて3社の路線を直通する列車を走らせるもので、運行は近鉄奈良行きの片道のみ。車両は阪神の1000系を使う。
3社間の直通列車については2008年に、2009年春の阪神なんば線(尼崎~大阪難波)開業を機に山陽姫路~近鉄賢島(三重県志摩市)を直通する特急の運行で3社が基本合意したとの報道が見られ、2009年には、2010年春の運行開始を目指す近鉄が、阪神と山陽に直通できる仕様で特急型車両を準備中との続報もあった。
「直通には、近鉄が熱心で阪神は慎重という報道もあっただけに、同イベント列車の運行は心配を吹き飛ばしてくれるビッグニュース」と姫路市在住のブロガー・三木大三さん。「一日限りの運行とはいえ、日本文化発祥の地ともいえる奈良と姫路が初めて直結される歴史的な列車。ぜひ乗車したい」と期待を寄せる。
当日は、山陽の東二見(明石市)と阪神の石屋川(神戸市灘区)・尼崎(尼崎市)、近鉄の東花園(東大阪市)の各車庫を巡るコースで列車を運行。東二見と東花園では車窓から、石屋川では列車を降りて、それぞれ車庫を見学できる。石屋川では制服を着用しての記念撮影会を子ども限定で行うほか、運行中の車内でも各社の担当者が沿線の車窓説明やジャンケン大会、クイズ大会、スピードくじ引きなどのプログラムを実施。尼崎では、車庫内を通過する側線を走り大阪難波方面へ向かう「車庫通過体験」もプログラムに加える。
阪神電鉄の森本裕昭さんは、「姫路~賢島間直通構想とは関連しない企画。ファンサービスの一環として楽しんでもらえれば」と乗車を呼び掛ける。
乗車は280人限定。事前に申し込みが必要。詳しくはホームページで確認できる。