「酒匠・米匠うえすぎ」(姫路市砥堀、TEL 079-227-4412)が6月15日から販売を始めた、開けるまで中身が分からない缶詰「希望の缶詰」が話題を集めている。
同商品は、サバのみそ煮やクジラの大和煮の缶詰などで全国展開する水産加工品メーカー「木の屋石巻水産」(宮城県石巻市)が製造したもの。東日本大震災で津波に巻き込まれた同社は現在、再開のめどが立たないまま休業を余儀なくされている。
「食べられる缶詰を販売して一日も早い復興を目指そう」と、同社の社員やボランティアスタッフが、がれきの中から缶詰を拾い集めているという情報を知った同店オーナーの上杉章博さんは「復興支援の一助になれれば」と缶詰の販売協力を申し出た。
缶詰の種類は、金華サバのみそ煮やナガスクジラの大和煮のほか、サケの中骨水煮、真イワシしょうゆ付け、イカ入り玉コンニャクなど。
缶に記載した商品名が消えているものには「?」と書いて15日から売りだしたところ、新聞やラジオで話題となり、仕入れた320個全てが販売開始から2日で完売した。追加で仕入れた400個も約1週間でほぼ売り切れ状態に。
上杉さんは「木の屋さんの『金華サバのみそ煮』はファンも多く、市外から買いに来る人や一度に40個~50個まとめて購入する人もいる」と話す。
価格は1個400円。缶詰のボディーには「石巻の漁業が復活するまでこの缶詰はもう作ることはできませんが、私たちは必ず復興します」と同社の熱いメッセージが添えられている。
営業時間は10時~20時。