平成の大修理が進む世界文化遺産・姫路城(姫路市本町)で6月8日、大天守大棟(最上層)に飾られている鯱瓦(しゃちがわら)の取り外し作業が行われた。
取り外されたのは、大天守の東側の鯱瓦で、高さは190センチ、重さ約270キロ。1687(貞享4)年に造られた鯱瓦をモチーフに、昭和の大修理(1956年~1964年)の際に新調したもので、取り外しは約50年ぶりとなる。
作業は10時ごろから開始。作業をひと目見ようと集まった見物客や報道陣が見守る中、瓦職人が鯱瓦から慎重に尾ヒレを外し、本体に保護用のさらしを巻いてクレーンにつるした後、「ヨイショ、ヨイショ」という掛け声に合わせながらゆっくりと作業フロアに下ろした。
西側の鯱瓦も9日以降に外され、傷み具合などを調べ修理の必要がなければ姫路城「リの一渡櫓(わたりやぐら)」で一般公開する予定。