今年で31回目を迎える「ぴあフィルムフェスティバル2009」で、姫路出身の井上真行さん(27)の作品「一秒の温度」がグランプリを受賞した。
同フェスは、「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに東京、名古屋、京都など全国で開催される映画祭。同フェスのメーンプログラムである自主制作映画のコンペティション「PFFアワード」では、全国から集まった作品の中から入選作品を選定・上映する。
今回集まった応募総数は569本。うち16作品が入選作品に選ばれ、映画監督として最も期待したい作り手に贈られる「グランプリ」に井上真行さんの「一秒の温度」が輝いた。
1982(昭和57)年生まれの井上さんは、姫路市御国野町出身。2004年3月に大阪芸術大学を卒業後、神戸のテレビ番組制作会社に入社。仕事を続けながら自主制作映画を作り始める。2006年に制作した初監督作品「シねない奴」(29分)が第29回の同フェスで入選。現在は、東京の映像制作会社に務めながら同僚や後輩らとともに制作活動を続けている。今回受賞した「一秒の温度」は第3作目。
グランプリ受賞について、井上さんは「大学に行かせてくれた親や、映画を撮るきっかけとなった神戸の制作会社には本当に感謝している」とし、「慢心せずにこれからも自分自身を追い込みながら、誠実に作品を作っていきたい」と話す。
今月27日から、神戸で開催される同フェスで井上さんの受賞作品を上映するほか、井上さんのトークセッションも予定する。