姫路警察署は8月29日、旧庁舎（姫路市本町）から移転を完了し、31日から通常業務を開始した。場所は姫路駅から東へ約1.5キロ線路沿いに進んだ所。

　旧庁舎は1964（昭和39）年に建てられたもの。建物の老朽化と署員数の増加に伴いリニューアルが必要となったが、所在地が12ｍの高さ制限がある特別区域内だったため、行政面での利便性なども考慮し、裁判所や検察庁に近い市之郷に新設を決めた。

　新庁舎は、地上7階建て。延床面積は12,046平方メートルと旧庁舎の2.7倍へと規模を拡大し、留置室をこれまでの10室から24室に増やしたほか、県下では唯一となる射撃訓練場も設けた。

　同署の福本明彦副署長は「県内の射撃訓練場は芦屋の警察学校内にしかなかった。署内に設けたのは県下では本署が初めて。留置室の数も県下では一番多く最大72人収容できる」と話す。

　そのほか、施設は大規模な地震発生後も庁舎の機能が継続できるよう自家発電装置、緊急保安給水装置など災害対策機能面も強化。太陽光発電パネルや屋上緑化など環境面にも配慮し、4カ国語による案内表示や車いす用トイレや段差の解消などユニバーサルデザインにも対応する。

　「本署へ訪れる利用者は運転免許の更新手続きや道路使用許可などがほとんどだが、新庁舎には110台分の駐車スペースを設けたので、これまでの駐車スペースが少ないという問題も解消された」（同）とも。