姫路キャスパホール(姫路市西駅前町)で7月17日、「大河ドラマを活(い)かしたまちなかの活性化を考えるシンポジウム」が開催された。
約200人を集めた同シンポジウム。姫路ゆかりの戦国武将・黒田官兵衛が主人公のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の放映開始を半年後に控え、到来が予想される「ご当地観光ブーム」を中心市街地の活性化につなげたいとする姫路市が主催した。
当日のプログラムは3部で構成。第1部では、招かれた会津若松市(福島県)と高知市の商店街関係者2組が、「八重の桜」(2013年)、「龍馬伝」(2010年)の両大河にまつわる活性化事例について、それぞれ数字を交えながら発表した。
第2部には、在阪テレビ各局で番組リポーターとして活躍するタレントのタージンさんが登壇。「商店街話~全国の魅力、姫路の魅力~」と題して基調講演を行った。
タージンさんは1979(昭和54)年から関西ローカルで放映が続く朝の長寿番組「おはよう朝日です」(朝日放送)で名物コーナー「突撃!バーゲンダー」のリポーターを務めたことで知られる「商店街の達人」。年間1000軒近くの個人商店を取材した経験などを軽妙に語りながら、「大河放映での観光ブーム到来は、もはや必然。2回3回と訪れて喜んでもらえるまちづくりに取り組み、大きな人の流れを作ってほしい」とアドバイスした。
第3部では、「大河ドラマを活かしたまちなかの魅力づくり」をテーマにパネルディスカッションを展開。作家の玉岡かおるさんがコーディネーターを、会津若松・高知・姫路3市の代表がパネラーを、それぞれ務めた。
「高知のパネラーから出た『大河ブームは一過性。終了の翌年には大きな落ち込みがある』という言葉に危機感を持った」と姫路市在住の塚本隆司さん。「大河放映は、姫路ファンを創出する千載一遇のチャンス。一般市民をどれだけ巻き込んでいけるかが今後を左右するのではないか」と話していた。