「青春18きっぷ」の春用発売分が有効期限を迎える4月10日、姫路駅（姫路市駅前町）の在来線プラットホームは同切符を利用する鉄道旅行者「18キッパー」が多数乗り降りし、終日にぎわいを見せた。

　同切符は、普通・快速列車の自由席に限り全国のJR線が乗り放題になる企画乗車券。例年春、夏と冬の教育機関長期休暇に合わせてJRグループ各社が発売するもので、発売額は1万1,500円（5日間有効）と格安。利用に年齢制限もないことから旅を楽しむ幅広い層に人気があり、1982（昭和57）年の発売開始以来、今年で30年目を数えるロングセラー商品となっている。

　列車を乗り継いで長距離旅行を楽しもうとする「18キッパー」にとって、JR山陽本線の姫路～岡山間は運転本数が約1時間に1本と極端に少なくなる難所。この日も京阪神方面からの列車が到着するたびに、岡山方面への乗り継ぎ列車に座席を確保しようと「18キッパー」が足早にプラットホームを行き交った。

　同切符を利用して尾道への日帰り旅行を楽しむ長瀬良平さんと妻の志乃実さん（大阪市城東区）は「座りたいので慌ただしく乗り換えた。姫路駅名物『えきそば』を食べる時間がなかったのは残念」と苦笑い。中には「4人で向かい合わせに座りたいので、1時間後の岡山方面行きに並ぶ」と途中下車。姫路城観光に向かうグループの姿も。

　プラットホームの売店で「えきそば」や駅弁を販売するまねき食品の水瀬滝子さんは「いつもの週末に比べると乗降客が多い印象。これが駅弁の売り上げにつながってくれれば」と話していた。

　次回の同きっぷ発売期間（夏用）は7月1日～8月31日。利用期間は7月20日～9月10日。詳しくはJR西日本のホームページ「JRおでかけネット」で確認できる。