自転車で日本全国を旅しながら、各都道府県のテーマソングを制作するプロジェクト「天下統一プロジェクト」を進めているシンガー・ソングライターの天歌布武信長(てんかふぶのぶなが)さんが、姫路を訪れている。
信長さんは香川県を拠点にプルースハープやアコースティックギターを演奏する武将風のアーティスト。各県を訪れ、観光名所や歴史、文化を学び、感じたことを曲に詰め込んで、ご当地ソングを制作している。作詞作曲、編曲を手がけ、CDジャケット、デザインも全て手作りという。
信長さんは戦国時代の武将・織田信長の肖像画に似ていると言われたことをきっかけに信長に扮(ふん)して馬に見立てた自転車にGPS機能を搭載し、各都道府県を巡りながら走った軌跡で「信長の顔」になるように地上絵を作るという独自スタイルで旅を続けている。
4月8日に姫路城で出陣式を挙げて出発し、姫路市、神戸市、加古川市、加西市、丹波市などを周り、5月8日に再び姫路市を出発した。三木市、神戸市北区経由で淡路島を一周して信長の大きなちょんまげを走って描いて「兵庫県統一」を成し遂げる予定。
野望は47都道府県にGPS機能を使って地図上に信長の似顔絵を描くこととご当地ソングの制作。それが完成すると「天下統一」が達成されるという信長さん。2012(平成24)年4月に埼玉県から始まり、これまでに茨城、群馬、秋田、広島、岡山などを周った。2019年から新型コロナウイルス感染症対策のため中止していたが、4年ぶりに再開し、兵庫県は12県目となる。
信長さんは「姫路では気さくに話しかけてくれる人や走っている車から『頑張れよ』と声をかけてくれる人が多くてうれしい。見た目より孤独な旅なので声援は励みになる」と笑う。「コンビニで出会った人に兵庫県の温泉チケットをもらった」とも。
信長さんによると兵庫県のご当地ソングは3割程度が出来上がっているという。「最初は港町のイメージだったが六甲山を越えてから違うジャンルが浮かび、養父市で出会った人の言葉が印象的だったことや、兵庫県は日本のへそだから大事にしてねと言われた話も面白かった」と景色や出会った人からインスピレーションを受けて曲作りにつなげていく。
同プロジェクトの様子はウェブサイトに公開する予定で、これまでの制作物や情報も閲覧できる。