姫路市白国の増位山随願寺で2月11日、750年の歴史を持つという伝統行事「鬼追式(おにおいしき)」が行われた。
聖徳太子の命により高麗の僧・慧便(えべん))が開き、行基を中興したといわれる同寺。書写山・円教寺と共に播磨地方有数の古刹(こさつ)と称されている。
この日は多くの観客が見守る中、毘沙門天の化身「赤鬼」、不動明王の化身「青鬼」、薬師如来の化身「空鬼」と、子どもたちが扮(ふん)した小鬼たちがほら貝と鐘の音に合わせて踊りを披露した。赤鬼と青鬼がたいまつを打ち合わせると祭りはクライマックスへ。たいまつが打ち合わされるたびに燃え盛る炎から火花が飛び散り、観客から歓声が上がった。
鬼踊りの後は餅まき、山伏による採燈大護摩(ごま)供養が行われ、勢いよく炎が青空に燃え盛った。境内では福引きや露店なども開かれた。
姫路市在住の松本貴子さんは「家族の健康祈願で初めて来たが大勢の人で驚いた。子どもたちは鬼が怖くて帰りたいと泣きじゃくっていた。気持ちが洗われたような気がして1年健康に過ごせそうだ」と話していた。