兵庫県などは2月19日、今春のイカナゴ漁解禁日を今月23日と発表した。
播州(ばんしゅう)路に春の訪れを告げるとされるイカナゴ漁。例年2月下旬から4月にかけてを漁期とする。初漁期に捕れるイカナゴは「新子(しんこ)」と呼んで特に珍重。釜揚げや、甘辛く煮付けた「くぎ煮」などで味わう。
「播磨灘や大阪湾一帯で実施した試験操業では、漁場によって生育状況や漁獲量にばらつきがあったと承知している」と兵庫県水産課の大野泰史さん。近年では2009年に並ぶ不漁が予想されていることについて、「資源保護は課題。漁に携わる各漁協でも保護への取り組みを続けている」と説明する。
姫路でも漁解禁の23日に合わせて坊勢漁協(姫路市家島町)をはじめとする各漁協が一斉に出漁。妻鹿漁港(白浜町)などに水揚げを予定し、今年の初物は、早ければ当日午前から店頭に並ぶ見込み。
「『くぎ煮』はわが家でも毎年作る。主婦の間で『自家製』がブームになったのは阪神淡路大震災(1995年)以降で、くぎ煮を各地の友人などに毎年送る習慣も、震災見舞いへの『御礼返し』がきっかけだったと記憶している」と姫路市在住の主婦・前田三津子さん。「今年も2回は作る予定」と話し、納戸から取り出した「ずんどう鍋」を磨きにかかる様子が見られた。
同漁協では3月9日、大手前公園(本町)で「いかなご祭り IN 大手前2013」を開催。水揚げされたばかりのイカナゴを直売するほか、播磨灘産のカキや日本海産のカニやエビ、ホタルイカなども併せて提供。イカナゴの料理教室なども実施する。兵庫県漁連のキャラクター「イカナゴの新子ちゃん・新平くん」も登場し、会場を盛り上げる予定。開催時間は11時~14時。